メリーさんさようなら

去年の暮れ、動物保護レスキューのボランティアさんが、放棄と虐待を繰り返されていたゴールデンレトリバーのメリーさんを必死の思いで保護してきました。

 

真っ白でとても大きな体でとても優しく、保護されてきたその日も人間にされた事を全く恨んでいないかのようにとっても人なつこくすり寄ってきたメリーさん。

数日は我家で預かっていましたが、うちにはおなじく大型犬のハナと猫のうみとたま、が居る状態。近所に住むレース仲間でカスタムペンとを生業にしている動物好きなQDさんに声をかけた所こころよく預かっていただきました。http://www.qma-design.com/
QD夫妻の家は小高い海の見える丘の上に家があり庭もとても広く、数日でメリーさんはQDさんに心底懐く事に。

ノーリードでもまったく心配のないメリーさん。今までどれだけ辛い想いをして生きてきたのか、聞いただけでも酷い状態でした。
メリーさんはまったくご飯をもらえなかったので自分の糞を常食し体を伸ばして寝られない程に短く繋げられたそんな状態で5年も暮らしてきました。

その家は外車も乗るような犬の餌に困るような家ではなく、メリーさんはまったく生き物として扱われて来ませんでした。

まわりに住む方々もそんなメリーさんを見かねてこっそりご飯をやりずっと心配してきました。


正式にQD家に引き取られ毎日のびのびしていましたが、メリーさんには腰の部分に大きな腫瘍を持っていました。これも不健康でストレスが毎日かかりながら暮らした結果かもしれません。しかし病院で良性との診断で切除の手術を行いました。これで余生はなんの心配もなく思い切り愛されて生きて行かれると思った矢先でした。


しばらくぶりにメリーさんに会ってみると切除部分にさらに大きなこぶが。再発という言葉ではあらわせられないくらいのこぶ。しばらくするとこぶが破裂しそれは悲惨な状態になると聞き愕然と…。

それでもメリーさんはQDさんにいつも寄り添い涙が出るくらいさらに健気に人を愛する犬になっていたのです。


そして最後は言われていた通り、こぶが破裂し腐敗が進み体中に虫がわいてしまいました。

おきたりおきれなかったりのメリーさんでしたが、痛そうなそぶりも見せず人が来ると嬉しそうにするメリーさん。

きっと人間だったら気絶するくらいの痛みだと思います。

これ以上はどうしようもできなく、酷い状態でただ苦しめるだけ、保護したレスキューのかたとQD夫妻は「安楽死」という選択をしました。そこに行き着くにはとてもここでは書ききれないくらいの葛藤があったようです。


そして最後の日、見るに耐えない状態のメリーさんと再会。QD夫妻も寝るのも惜しみながら必死に世話をしてきましたがそんな苦労の甲斐もなく最後の日を迎えてしまいました。
担当の先生も安楽死には反対と言っていましたが、今回はこの方法が犬に取って最善だと感じるくらい、今まで見た事もないような酷い状況と言っていました。
診察台で一つ一つ経緯の説明を受け、みんなで心電図とメリーさんを見守りました。

そして数分後メリーさんはとても奇麗な顔で、気持ちよく眠るようにゆっくりと穏やかに目を閉じた後心臓がとまりました。
僕は動物が息を引き取る瞬間に居合わせたのはこれで2回目。

安楽死という死と隣り合わせることで、とても色々考えさせられました。今回の場合は、ここには答えなどは存在せず、ただ一緒に暮らした家族との別れ。という気持ちだけに目を向ければいいと思いました。
メリーさんは今日体の色と同じくらいに真っ白に焼かれて灰になったけど、向こうではまた元気な体を取り戻し、きっといつまでもQDさんのまわりを走り回れることでしょう。

そう思うとメリーさんの死というものは、寂しさは深い物だけど悲しさとはかけ離れたもので、ひとつの生きるという意味での通過点だと強く思いました。

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コメント: 2
  • #1

    sekstelefon (水曜日, 01 11月 2017 01:27)

    cykloniczny

  • #2

    tu zobacz (水曜日, 01 11月 2017 01:50)

    idiochromatyzm